ドラッグ

 俺が駄目になっていくのを、唯一心配してくれる友達だった。
 どうしようもなくなって顔を上げたら、そこにいてくれる友達だった。
 その友達が目の前で死んだ。高校の屋上から落ちたのだ。ドラッグを持って。
 それは事故なのに、数グラムのクスリの存在が、事故を事故として終わらせてくれなかった。
 検死の結果は、奴がドラッグをやっていなかったことを証明しているのに。
 不完全な情報が、奴の尊厳を奪う。それはたまらないことだった。

 臨時集会の校長のオハナシ。彼はマヤクを持っていました。皆さんは誘われても断りましょう。
 ちょっと待て。
 その言い方はないだろう。まるで奴がマヤクをやっていたような言い方じゃないか。
 あいつはクスリなんかやってない。ただ俺のことを心配して、助けようとして、
 俺からクスリを奪って逃げただけなんだッ!!」

 体育館が静まり返る。皆、俺を見ている。涙を流して、立ち尽くしている俺を。

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