マングローブの葉

 山で女の子に逢った。湖畔で逢った。夜中に逢った。

 十九歳で無職、口癖は「嫌よね」と「楽しい」。世界は汚いときめきっていた。

 出逢った頃、彼女の指は七本だった。左手の人差し指と両手の小指がなかった。
今では更に両手の薬指がなくなり、欠けた指は五本になっている。

 僕は彼女と何度も逢った。同じ湖畔で、朝に昼に夜に逢った。

 ある日切断した指を見せてくれた。確か左手薬指。これは汚いものだと言って、
彼女はそれをぐちゃぐちゃにした。僕もやらせてもらった。激しく勃起してしまった。

 彼女は言った。

「マングローブのある種は、塩分を特定の葉っぱに溜め込むから、海水域でも生きていられるの。
私も同じ。汚いものを指に溜めてるのよ。……やがて、塩分の溜まりきった葉は落ちる」

 ある日、彼女の指を噛ませて貰った。血が出、骨に達するまで。そのまま射精した。
それでも興奮は収まらず、僕らはそのまま関係を持った。

 それ以来、ほぼ毎日のように指を噛みながら、ヤっている。彼女の指はぼろぼろ。

 でもどうしてか、僕とヤるようになってから彼女は指を切らない。

 ――――彼女は汚れを、どこに溜めるようにしたのだろう?

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